2009年8月24日

小売業における在庫管理の重要性

小売業では、旧来売上情報のみを偏重して重視してきた。
本来は、発注-仕入-販売(廃棄・不明ロス)-在庫-発注・・・というサイクルで日々のオペレーションがなされている以上、何をいくつ仕入、いくつ売り、いくつ残っているかと言うことは当然判別するはずなのであるが、多数の品目に対する管理作業の多さや不正確なオペレーションにより、これらのサイクルがとらえられないため、取りあえず売上情報のみで、品揃えや販売計画を作ってきたためである。
しかし、近年の食品の安心安全意識の高まりなどの外部からの圧力や、他店との競争激化による価格低下=粗利益低迷、人や設備のコストの上昇などの内部からの要請により、これらをドライブする商品の動き、特にその結果としての単品在庫に対する管理の重要度が高まってきている。
ICT活用の先進企業においては、単品在庫のリアルタイム把握により、旧来のビジネスモデルの変革を成し遂げ、コスト競争力を生み出すことができつつある。
これらを如何に実現していくか、そのキーワードが周辺技術の革新と、ビジネスメンタリティの変革である。
前者は流通BMSや商品マスタ同期化といった新技術であり、それを可能にするICTの飛躍的な革新である。後者は組織のリーダーシップとそれを生み出す人の意識変革である。

流通ビジネス標準メッセージの先にあるもの

流通BMSが生まれて早くも2年間が経過した。そもそも、流通BMSの技術背景には単なるインターネット閲覧から、データ交換を可能にするものがあり、それによりインターネットを活用した自動的なデータ交換がおこなわれるはずであったにも拘わらず、今なお閲覧技術のみによるWEB-EDIが小売-卸売間のデータ交換で数多く見られる。
なぜ、WEB-EDIが猖獗しているのか?その原因として標準化の遅れや実現ハードルの高さ、小売業の優越的の濫用などが言われるが、その根底にあるのは、「流通業に携わる人々の中に、未来のための革新をするマインドを持たない人が増えてきたこと」につきるような気がする。
NIH症候群や、ビジネスモデル変革への熱意の能力不足が、これらの状況を引き起こしている。
今後のサプライチェーン全体の効率化による、流通業の生産性の飛躍的な上昇を可能にするために、今こそ新たな行動変革が望まれる。

画像情報の活用方法とその未来

店舗内にある防犯用ビデオカメラは、今やどの小売店舗にも設置されているが、そのほとんどは本当に防犯用としてのみの機能しか果たしていない。いや、防犯用としての機能も怪しい。
なぜならば、それが万引犯等への抑止効果を目的とするだけであれば、張り子のカメラで良いわけだし、画像を録画していても、異常検知を24時間人間が行うことも非常に困難である。
それでは監視カメラ先進国の英国ではどうかというと、カメラとITが連結することで様々な自動的な監視が行われている。それは本質的な「防犯」ともいえる。
例えば、駐車場でのうろつきの監視、突然走り出す不審者の検出、不審物などの置き去りの検知など、犯罪が起こる前にITがそれを関知し、責任者に通報することができる。
さらにそれらの知的監視システムにより、入出場の人数の把握や、待ち行列の人数検知、店内の人数検知など、今後の新しいビジネスモデルが生まれるかもしれない。
いずれにしても、単にカメラを設置し(しかもこれ見よがしにぶら下げ)、録画するだけの第一次世代はそろそろ終わりを迎えるに違いない。

小売業のICT化の潮流の変化

小売業のICT化の潮流が大きく変化している。一昔前のアプリケーションからハードウェアまでをセットにしたソリューション提案が、破綻を迎えつつあるからだ。
この10年間に小売業のICT化の範囲は、それまでは範囲外であったモノの多くをICTの範囲に加えてきた。例えば、計量値付機やプライスカード、エネルギーコントロールや、監視カメラ、IP電話などが新たにICTの投資範囲になり、それらの投資を個々で考えると、到底投資不能な金額が積み上がってしまう。
その原因は、アプリからハードまでの一体化提案にある。
これを解決するための手段としてのクラウドと言う概念やマッシュアップという概念がある。今後の小売業のCIOはこれらの技術に対して注意深く観察する事が必要である。そして、コストを新しいレベルにまで下げながら、ICTを十二分に生かした新たなビジネスモデルを築いていくことが重要である。

クルト・レヴィン

組織成長の前に人材成長があるとするならば、人材を成長させるための鍵を掴んでおくことはとても重要なことである。クルト・レヴィンの場の行動科学によると B=f(p・e) すなわち、行動は個人特性と環境とに依存する。組織の行動は個人の行動の総和であるから、組織を成長させるためには、成長を目指すための個人を多く擁しなければいけない。成長を目指すための個人とは、先天素質としてそのような個性であることと、後天環境がそれを促進する風土を持っていることのどちらか、できれば両方が必要である。少なくともどちらかがマイナスやゼロではいけないと言うことだ。
しかし、組織の中には成長に対してマイナスのベクトルを持つモノが多くいる。故にマイナスをプラスにするための意識改革が必要になってくる。また、折角個人がプラス方向であっても環境がマイナスのベクトルを持っていては何にもならない。環境にプラスのベクトルを持たせるための、強いリーダーシップが必要である。