収益性の低い事業や製品に過剰投資する、いわゆる「キャッシュ・トラップ」に陥っている小売業は多い。
もちろん事業の多角化は小売業のみならず、全業種にわたって見られることであるし、小売業が過剰な製品開発コストを支払っているわけではない。
小売業における最大の投資は出店と在庫であり、その収益性は棚を割り当てられた個々の商品の収益性に依存する。
出店投資と言う面から見ると、個々の棚や陳列スペースはそれぞれコストを負担している。仮に初期投資9億円の店舗があったとして、
その売り場面積が600坪だったとする。駐車場や作業スペース、倉庫などは利益を生み出さないので、売場面積だけで考えるとことにし、、
売り場面積に並ぶ商品の陳列尺数の総延長で初期投資額を割ると、たとえば陳列尺数が9000尺だったとすると尺あたり10万円の投資となる。
ROIで考えれば(将来価値を考えないとすると)陳列尺数が1尺を占める商品が年間2万円の純利益を出し、5年間で10万円が回収されて
初めて採算が合うことになる。年間2万円ということは経常利益率が平均2%であれば、年間売上高100万円、一日平均3000円弱、一日平均15個程度
販売されて始めて採算ベースに乗ることになる。しかも、全品が。
すべての商品がこんなに売れているわけがない。現実には8割以上の商品が”稼いでない”状態にあるといえる。